アフタヌーンティーを楽しむ活動「ヌン活」。
ホテルや紅茶専門店で紅茶と軽食・スイーツを頂きながら優雅な時間が過ごせると、人気ですね。
色とりどりのスイーツやオシャレな器が写真映えすることもあり、最近ではカフェやバーなど様々なお店でもアフタヌーンティーを提供。
より一層バリエーション豊かに、そして身近なものへと変わってきています。
でもいざ、初めてアフタヌーンティーをするとなると、
服装は?マナーは?
食べる順番は?手を使ってもいいの?
紅茶は何を選べばいい?
などなど…わからないことがたくさんありますよね!
この記事では
- アフタヌーンティーの歴史
- 基本のマナー
- アフタヌーンティーの楽しみ方
について書いています。
紅茶教室で3年間学び 毎日紅茶を飲む私でも、アフタヌーンティーだけは“特別なもの”です。
ヌン活初心者のあなたが心から“特別なティータイム”を楽しめるよう、わかりやすく解説します!
アフタヌーンティーのはじまりは「間食」
優雅で豪華なイメージのアフタヌーンティーですが、簡潔に言うと貴婦人の「間食」としてスタートしました。
19世紀イギリス・ヴィクトリア時代。第7代ベットフォード公爵の婦人であるアンナ・マリアが、朝食と夕食の間に紅茶と軽い食事をとったのが始まりとされています。
当時イギリス貴族の食事は1日2回。
朝遅めにたっぷりの朝食をとったあと、夜8時頃の夕食まで食事の習慣がなかったのです。
…いや、いくら何でも
お腹すくでしょ!(; ・`д・´)
と突っ込んだあなたは仲間です 笑
アンナ・マリアも同じことを思ったと。
わかるわかる~。
そこで朝食と夕食の間、午後2時~4時頃に自分専用の部屋でコッソリとパンやお菓子を紅茶とともに頂くことに…。
この“秘密のティータイム”があまりにも幸せなひとときだったことから、親しい友人を招くようになりました。
そのうちに、お気に入りの器やティーセットを使い、インテリアコーディネートに気を使うように…
いつしかその優雅な習慣が上流階級の間で広まり、社交場としての役割も果たすようになりました。
私は、こんなにステキなティータイムを作ってくれた(?)アンナ・マリアに深く感謝しています 笑
イギリスでは1日7回もあるというティータイムの「ハイライト」と言っても過言ではありませんし、世界中の人たちに紅茶を広く楽しんでもらうキッカケになっていますから。
また、アフタヌーンティーの歴史については、英国紅茶&マナー研究家・藤枝 理子さんの本にとってもわかりやすく書いてあるので気になる方はチェックしてみて下さい。
始まりが貴族・上流階級層だったことから、アフタヌーンティーは食事の作法、おもてなしや振る舞いなど「マナー」を重視する場になったんですね。
マナーというのは、自分&一緒に楽しむ相手を不快にさせず心地よくいられるための「思いやり」。やはり必要なのです。
そう考えると思わず身構えてしまいますが、大丈夫!
適度に身構えましょう!笑
相手はどう感じるかな?自分自身は心から楽しめるかな?
そう意識するだけで、大抵のことはクリアできるからです。
アフタヌーンティーのマナー これだけは守ろう!
ガチガチに堅苦しくなる必要はありませんが、人としてお客さんとして、最低限守るべきマナーをお伝えします。
マナー①服装・ドレスコード
ホテルや紅茶専門店でアフタヌーンティーを楽しむ時に、穴の開いたジーンズと古着のTシャツにサンダルを履いていく人は、あまりいないと思います。
そのような恰好で出向いたとしたら、お店の雰囲気に合わなかったり、周りの人たちも気持ちよくその空間や食事を楽しめなくなってしまうかもしれない。
その「思いやり」をもって服装を選べば、きっとステキなティータイムになります。
★肌の露出が多い服・華美な装飾を避ける
★普段より少しキレイ目な服を心掛ける
あえてドレスを新調したり、着慣れていないスーツで行く必要はなし!
ただし、ホテルやお店によってはドレスコードを設けている場合もあるので、確認&考慮して服装を選びましょう。
マナー②お店のルールに従う
服装のドレスコードもそうですが、ホテル・お店によってアフタヌーンティーのサービス内容は様々です。
2~3時間で区切られているお店もあれば、何時間でもOKというホテルがあったり、最低人数が2名からの場合もあれば、お1人様でもお気軽にというところも。
それぞれのルールに従って、楽しみましょう!
いずれの場合も、アフタヌーンティーのフードを提供する側の準備などを考慮して、予約をしてから伺うのがスマートですね。
マナー③振る舞い
「振る舞い」と聞くと堅苦しく考えがちですが、シンプルにとらえてください。ホテルや専門店・カフェでゆっくりと会話や食事を楽しむアフタヌーンティーにおいて
- 大声を出す・ゲラゲラ笑う
- 陰口を言う・誰かの批判をする
- 食器をガチャガチャと雑にあつかう
このような品の無い言動は、慎むべきです。自分も同伴者も周りの方も快適な時間を過ごせるように、意識したいですね。
また、普段使いとは違う華やかな食器類が並び、気分も高まるのがアフタヌーンティー。この皿はどこのブランド?写真を撮りたいから器の場所を変えて…としたくなりますが、注意が必要です。
★食器類はむやみに動かさない
ブランド名を確認しようと、ティーカップや皿の裏側をのぞき込むのはやめましょう。気になる時は、スタッフに直接伺うのがベターです。
お客様が快適に楽しめるように、お店側はベストな状態でお皿やティーカップなどを配置します。それを崩してしまうのはオススメできません。
写真を撮る時、少しだけカップの向きを変える…くらいならOKですが、場所を入れ替えたり大がかりな移動をするのはやめましょう。
フードが乗っている3段スタンドのお皿も取り外さないよう、注意です!
ただ、1点だけ。
ローテーブルなどで 座っている自分と器との距離が離れているときは、カップ&ソーサーのソーサー(受け皿)も一緒に持ち上げて紅茶を口に運びましょう!
これが出来ていると「マナーをわかっている人!」なーんてお上品に見えるのと、万が一こぼれてもお気に入りの服へのダメージは最小限…笑 ぜひ覚えておいてください。
食べる順番は自由!
アフタヌーンティーで良く見かけるのが、食べ物をのせたお皿がタワーのようになっている「3段スタンド」。
この非日常アイテムが見たくて体感したくてアフタヌーンティーに来る人もいる…まさに象徴ですね。
ホテル・お店によって様々ですが、基本的な3段の配置内容は以下になります。
- 一番下 → サンドイッチ
- 真ん中 → スコーン
- 一番上 → スイーツ
正式なアフタヌーンティーではコース料理のように塩気のあるものから甘みへと進むので、下の段から
①サンドイッチ
②スコーン
③スイーツ
の順に食べます。
ただこれに沿って食べると、サンドイッチ以外はスコーンもジャムやクリームをつけるため甘いですし、ケーキやマカロンなど甘いものばかりが残ってしまう…
全部あまーーーい!(´ー`)
となるわけです 笑
甘いものを食べ進める間に、塩気を少し挟むとまた甘いものが美味しく食べられたりしますよね。
なので、
食べる順番は自由!
好きなように食べましょう!
楽しくておいしいのが一番!
手づかみOK!ナイフとフォークは適宜使う
順番が自由なのはわかったけど、フードはどうやって取るといいのかな…。
はい。
手づかみでOKです!
サンドイッチもスコーンも、手で取りましょう。ケーキなどは添えてあるミニトングか、ナイフとフォークの方が上手に取れるなら使えばいいのです。
それ以上に大事なのが、3段スタンドから取ったものを直接口に運ばないこと!
必ず自分のプレート(取り皿)に置いてから食べましょう!
スコーンを上手に食べるコツ
食べる順番は自由ですが、温かいものは温かいうちに食べるとよりおいしいですよね。
これもお店によりますがフードの中で唯一、温かいものが「スコーン」です。
焼きたてを提供される場合が多く、その美味しさたるや!( *´艸`) 表面サクッと中はふんわりホロホロの食感。イギリスではスコーンを食べるために紅茶(ミルクティー)を飲むくらい、アフタヌーンティーに欠かせない存在です。
もちろん常温&冷めても美味しいのですが、焼きたての美味しさはぜひ一度味わって頂きたい!!
スコーンそのものに味がついている場合もありますが、基本的にはジャムとクロテッドクリーム(乳脂肪分の高いクリーム)が添えられています。
この2つをつけて食べるからこそ、スコーン特有のモサモサっとした食感がしっとりマイルドになり、見事においしいスイーツへと昇華するのです(これ大事)。
①スコーンの真ん中あたりにある割れ目(オオカミの口といいます!)から横半分に手で開くように割る
②ナイフを使ってジャムとクロテッドクリームをぬって食べる
【ポイント】
★どうしても上手く半分に割れないときはナイフを使ってもOK。(イギリスでは使わないのが正式)
★ジャムやクリームが1人分に分けて提供されずシェアして使う場合は、自分の取り皿に必要な分量を取ってから使う。
★ジャムとクリームをつける順番は自由!(本場イギリスではどっちが上かという論争があるくらい好みが別れる)
たっぷりのジャムとクリームで焼きたてのスコーン…最高です。自分だけのベストバランスをぜひ見つけてみて下さい。
スコーンに関する詳しい記事もよろしければぜひ!
さまざまな紅茶を楽しむ絶好の機会
アフタヌーンティーではスイーツばかりに目がいきがちですが、「ティー」を忘れてはいけません!笑 流れでお分かりかと思いますがこちらも、
好きな紅茶を選びましょう!
普段自分では選ばないものを含め、さまざまな紅茶を楽しむ絶好の機会です。おかわりが自由な場合が多いので、いろいろと試してみて下さい!
お店によって取り扱っている紅茶が違いますが、あえてオススメするなら香りがついていない「ノンフレーバーティー」です。
ベルガモットの香りがついた「アールグレイ」などのフレーバーティーは、それ自体の風味が強めなので、スイーツや食事との相性が良くないこともあります。
その点ノンフレーバーティーはフードとのペアリングをより一層楽しめるのでオススメです。代表的な紅茶と相性の良い食べ合わせを挙げるので、参考にしてみて下さい。
【★はストレート、☆はミルクティーが◎】
★ダージリン……和菓子系
☆アッサム………スイーツ全般
★ニルギリ………柑橘・フルーツ系
★ウバ……………チョコレート系
★キームン………チーズ系
☆ディンブラ……焼き菓子全般
★キャンディ……食事系
1杯目はストレート、2杯目はミルクを入れて…など味わいを変えて楽しんでみるといいですね!
一般的なアフタヌーンティーでは和菓子は珍しいかもしれませんが、季節やお店によっては「和」がテーマのこともあります。
和菓子にキリリとした渋みがあるダージリンを合わせると最高です。もちろんさっぱりと食事に合わせても◎!
紅茶とフードのペアリングについては、これまでに1000軒以上でアフタヌーンティーを楽しんできたという、アフタヌーンティーのプロ・安達由香里さんの本に詳しく書かれています。
これを読んでいると、どの紅茶と何のお菓子を合わせよう♪とワクワクします!
《まとめ》最低限のマナーで自由に楽しもう!
貴婦人の間食から始まった紅茶文化「アフタヌーンティー」。最低限のマナーを守れば、あとは難しく考えすぎず紅茶と食事を楽しめばいいのです!
友人とゆっくり語らう時間に、日ごろ頑張っている自分へのご褒美に、数千円で日常を離れてプチ贅沢するのも、たまにはいいですよね。
あなたならではの“ヌン活”を楽しめますように!
最後までお読み頂き、ありがとうございます!
ではまた!